2重管・3重管等の特殊ロール製作
熱媒の流れをスムーズに、効率的に予熱・冷却が可能。
二重管、三重管構造の冷却ロール・加熱ロールはロールの本体である外筒パイプの中に内筒パイプを入れることによりパイプ同士の隙間を熱媒体が通っていく構造をしたロールです。
二重管・三重管構造
2重管、3重管ロールにするメリット
(1)熱媒体の量を最小限にできる
ロール内部が空洞になっているものと比べて熱媒体の量を流路の分だけに抑えることができます。
(2)効率的に予熱・冷却が可能
外筒と内筒の隙間を熱媒体が通るため表面温度にムラが出にくく効率的に予熱・冷却が可能となります。
2重管ロール
使用材にパイプ材を2つ(外筒パイプ、内筒パイプ)使用しているので2重管ロールと呼んでいます。
単式のロータリージョイントを使用することで片側の軸から熱媒が入り、外筒パイプと内筒パイプの隙間を熱媒が通り、最終的に入側と逆側の軸から熱媒が出てくる構造になっています。
3重管ロール
使用材にパイプ材を3つ(外筒パイプ、内筒パイプ、通水パイプ)使用しているので3重管ロールと呼んでいます。
複式のロータリージョイントを使用することで片側の軸から熱媒が入り、通水パイプを通って反対側へ熱媒が流れ、外筒パイプと内筒パイプの隙間から熱媒が戻り、最終的に入側から熱媒が出てくる構造になっています。
3重管冷却ロールの内部構造(内筒を外筒へ組み込み時)
2重管、3重管ロールはパイプ同士の隙間を持たせた構造にするだけでも熱媒の循環は良くなりますが、この構造に加えて通水部のガイドも併せて加工することを推奨しております。
スパイラルフィンとペリフェリの2種類ございます。
スパイラルフィン
ロールの回転によりフィンが水の流れを後押ししてくれるので循環しやすくなります。ロールを正転、逆転で使用する場合は逆効果になってしまう可能があります。
ペリフェリ
スリーパス方式と呼ばれる構造が多く、入口から熱媒が出てきてから2回ターンして出口へ行くようになっています。ロールの回転方向に関わらず使用できますが回転の恩恵は受けることができません。
第二種圧力容器、小型圧力容器のロール製作
熱媒循環式加熱ロールの熱媒は、油が使用されるケースが多いものの、使用環境によっては油を使用することができないため、熱媒に温水や蒸気を使用することがあります。大気圧(0.0MPaG)のもとでは、水の飽和点は100℃で、水は蒸気に変わります。つまり蒸気の温度は100℃です。
しかし、0.7MPaGの時、水の飽和点が変わるため蒸気は約170℃なります。
この温度の変化により、圧力容器のロールは温水や蒸気に圧力をかけることで油のように熱媒として利用できます。ですが、圧力容器は内部から外側に向けて圧力をかけ使用するため、もしもその圧力に耐えられずに容器が壊れてしまうと大きな事故につながります。そのため圧力容器は法律によって規格ごとに分類され、製造や設置などの段階で労働局などによる検査が義務付けられています。
弊社では個別検定が義務付けられている第二種圧力容器、小型圧力容器の製造実績が多数あります。
個別検定では使用条件や材料強度の計算書等の申請による審査と水圧試験による検査があります。弊社では長年に渡り蓄積されたノウハウにより、圧力容器の製造~個別検定の申請~受験まで一貫にて対応させて頂いております。