研究開発
研究開発、共創で進化する技術。
当社は数十年に渡り、めっき技術のリーディングカンパニーとして歩んできました。今後も更なる技術革新に挑戦するため様々なパートナー企業様と協力し、共同開発を進めることで、めっき技術をさらなる未来へと進化させたいと考えます。オテックは常に新しい可能性を追求し、研究開発を通じて未来を切り開いていきます。
共同開発について
社内での研究や公設研究機関や大学との産学協同プロジェクトの実施等により、新たな技術や新製品開発にチャレンジしています。社内の研究室には、めっきの表面の高機能化や、高い付加価値の表面処理を生み出すための各種実験装置や測定・評価機器を備えています。
弊社では多くの企業様との共同技術開発を行なっています。ロール製作やめっきに関するご希望がございましたら何なりとお申し付け下さい。長年に渡って蓄積したノウハウを活かしての有効な提案や、共同での技術開発を進めさせていただきます。
研究開発実績
平成30年度中小企業経営支援等対策費補助金(戦略的基盤技術高度化支援事業)
「小規模ごみ焼却発電技術を普及させる蒸気ロータリー発電エンジンの研究開発」(村上精機株式会社、大阪府立大学と共同研究)
小規模ごみ焼却施設に導入可能な蒸気ロータリー発電エンジンの研究開発を共同で実施しており、当社は蒸気ロータリー発電エンジンハウジングに適合したクロムめっき膜の開発を担当しております。
平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助事業
「アモルファスクラックフリーダブルクロムめっきの試作開発」
“クロアモール”が抱えていた薄膜しかできないという技術課題を、硬質クロムめっき上に“クロアモール”を施し、多層化することにより解決し、従来の硬質クロムめっきを遙かに超えた機能性を有する新製品“クロアモールW(仮称)”の開発を実施しました。
平成29年度 コンソーシアム研究助成金
「超鏡面ハイブリッド型硬質クロムめっきロールの開発」
((地独)大阪産業技術研究所に一部委託)
鏡面ロールのクロムめっきのクラックに無機材料を浸潤・硬化させることによって、金属クロム-無機ハイブリッド膜を形成させ、離型性・転写性・耐食性に優れた超鏡面めっきロールの開発を実施しました。
平成26年度 補正ものづくり・商業・サービス革新補助金
「フッ素樹脂含浸クロムめっきの試作開発」
(大阪府立産業技術総合研究所に一部委託)
高硬度で耐摩耗性を有した硬質クロムめっきに種々のフッ素樹脂を含浸し、潤滑性・型離れ性・耐久性に優れた機能性皮膜開発を実施しました。
平成25年度 中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業に係る補助金
「クロムめっきロールの超鏡面研磨技術高度化」
液晶テレビやスマートフォンなどに使用される光学用プラスチックフィルム製造用の超鏡面ロールの表面研磨技術を高度化し、より高性能な鏡面ロールを作ることを目的として研究開発を実施しました。
平成24年度 ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金
「潤滑性・離型性・耐摩耗性に優れた硬質3価クロムめっきの試作開発」
(大阪府立産業技術総合研究所に一部委託)
硬質3価クロムめっき皮膜に微粒子を複合化させることで、通常のクロムめっきよりも優れた潤滑性、離型性、耐摩耗性といった性質を付与することができると考えられます。この方法により硬質3価クロムめっきをさらに機能化することを目指して研究を実施しました。
平成21年度 ものづくり中小企業製品開発等支援補助金事業
「硬質3価クロムめっきの試作開発」
(東京都市大学及び大阪府立産業技術総合研究所に一部委託)
3価クロム浴からの工業用クロムめっき(硬質3価クロムめっき)の実用化に向けてめっき液の分析方法確立、めっき皮膜の物性評価、顧客への技術情宣などを実施しました。
平成19年度 地域新生コンソーシアム研究開発事業
「環境対応型6価クロムフリー硬質クロムめっきシステムの開発」
(武蔵工業大学及び民間企業8社の共同事業)
地域新生コンソーシアム研究開発事業
「環境対応型6価クロムフリー硬質クロムめっきシステムの開発」
(武蔵工業大学及び民間企業8社の共同事業)
3価クロム浴からの工業用クロムめっきの実用化に関する研究を実施しました。その成果として小型ロール等へのめっき施工に成功しております。6価クロム浴からの工業用クロムめっきと比較しますと物性面でやや劣る点もありますが、産業用途での実用化が十分に可能であると考えており、今後も研究開発を継続していく予定です。
平成16年 地域新生コンソーシアム研究開発事業
「6価クロム代替P含有合金めっきの実用化研究」
(大阪府立産業技術総合研究所及び民間企業4社の共同事業)
平成15年度 地域新生コンソーシアム研究開発事業
「6価クロム代替P含有合金めっきの実用化研究」
(大阪府立産業技術総合研究所及び民間企業4社の共同事業)
6価クロムからのクロムめっきに代替するめっきとしてNi-W-P合金めっきおよび3価クロム浴からのCr-P-C合金めっきの開発とその実用化に向けた研究を実施しました。
平成14年度 大阪府中核的研究事業
「めっきプロセスの高度化」
(大阪府立産業技術総合研究所及び民間企業11社の共同事業)
平成13年度 大阪府中核的研究事業
「めっきプロセスの高度化に関する研究」
(大阪府立産業技術総合研究所及び民間企業14社の共同事業)
環境にやさしい無廃浴めっきプロセスの開発をテーマにイオン交換膜プロセスの各種めっきへの応用を図り、めっき浴の無廃浴化、スラッジ量低減、めっき浴組成の安定化、めっき皮膜の品質向上、新たな合金めっきの創製と連続めっきなどについての研究を実施しました。
学会発表・受賞歴
第24回 関西表面技術フォーラム めっき技術奨励賞
「自己潤滑性PTFE複合化クロムめっき皮膜の耐食性向上」 秋山淳一
第22回関西表面技術フォーラム めっき技術奨励賞
「ブラシめっき法によるクロムめっきの高速化の検討」 楠木 真一
表面技術協会賞 森河 務
表面技術協会論文賞
「チャンネル型微細溝を有した PVD 硬質厚膜の形成とその摩擦特性」
大阪府立産業技術研究所 小畠 淳平、三浦 健一、四宮 徳章
オテック株式会社 原野 知己、森本 泰行
第13回関西表面技術フォーラム 研究奨励賞
「クロム酸中での各金属の溶解挙動」 北田 知己
黄綬褒章受章 野中 康裕
現代の名工(卓越した技能者) 野中 康裕
第5回関西表面技術フォーラム 優秀講演賞)
「クロムめっきにおけるアノード特性」 宮阪 一郎
技術者養成
オテックでは、様々な研修や講習会に社員を派遣し、めっき技術の維持と向上につとめています。特に、大阪府鍍金工業組合主催の大阪高等めっき技術訓練校には多くの社員を派遣し、現場技術の向上や研究開発にあたる人材を育成しています。下記は、これまで訓練校で取り組んだ研究テーマです。
高等めっき技術講座
S56年 | 機能めっき(チタン上のめっき) |
S58年 | クロムめっきの高速化 |
S61年 | クロムめっきの耐食性 |
S62年 | 硬質クロムめっきの耐食性の改善 |
S63年 | 低温クロムめっき浴の耐食性 |
H1年 | アルカリ電解による金属素地への影響について |
H2年 | クロムめっきに及ぼす3価クロムの影響 |
H3年 | クロムめっき浴中の硫酸除去 |
H5年 | 工業用クロムめっきの耐薬品性について |
H6年 | ステンレス素材の陽極処理について |
高等めっき技術講座
H7年 | クロムめっきにおける母材金属の影響について |
H7年 | クロムめっきにおける表面粗さの影響について |
H8年 | クロムめっきにおける陽極の配置とめっき厚さ分布について |
H9年 | マスキング材がめっき面に及ぼす影響 |
H9年 | クロムめっきしたステンレス鋼の耐すきま腐食性 |
H10年 | テフロックの用途と摩擦係数 |
H11年 | 工業用クロムめっきのピットとピンホールの現場的考察 |
H11年 | クロムめっき液のSS(浮遊物質)とろ過 |
H12年 | 硬質クロムめっき表面の浴温と電流密度による変化 |
H13年 | クロムめっきの膜厚と表面粗さ・光沢度との関係 |
H15年 | クロムめっきにおけるアノード特性 |
H17年 | スラッジ減量化の検討 |
H18年 | クロム酸濃度と電流密度による硬質クロムめっきの硬さ変化について |
H20年 | 溶接素材上へのクロムめっき |
H20年 | クロムめっき剥離における母材への影響 |
H21年 | 梨地素地がクロムめっきの密着性に及ぼす影響 |
H22年 | 加熱処理によるクロアモール皮膜の硬化特性 |
H23年 | 二重クロムめっきで現れる外観ムラの原因と対策 |
H23年 | 品物の間隔によるクロムめっきのつきまわりの検証 |
H25年 | ジンケート処理を施したアルミニウム合金への硬質クロムめっきの密着性 |
H25年 | 硬質クロムめっきにおける2重めっきの防食効果 |
H25年 | 鏡面仕上げ法の変更による時間短縮の追求 |
H26年 | バーティカル研磨における表面粗さの制御 |
H27年 | 陽極電解条件がSUS420J2に与えるエッチング量や表面粗さへの影響 |
H27年 | バーチカル研磨における砥石回転とロール回転の関係 |
R1年 | クロムめっき下地処理によるクロアモールの耐食性向上の検討 |